相続人全員から依頼を受けて遺産分割から不動産の売却までを弁護士が代理した事例

記載の解決事例は旧法事例となります。

1.事案の概要

(1)相続人等

被相続人の配偶者(妻)と子供2人(長男、長女)

(2)遺産の内容

  • 自宅(土地建物、不動産①)
  • 療養用の自宅(土地建物、不動産②)
  • 預貯金

(3)被相続人の生活状況

被相続人は、もともと不動産①で生活をしていましたが、晩年は病気療養のため、長男の自宅近くに不動産②を購入して生活していました。

(4)遺産分割協議の経過

本件は遺産分割の大枠は相続人間で合意がありましたが、相続手続とその後の不動産の売却に不慣れなため、弁護士に依頼されました。

2.事案の問題点

(1)現状と今後の相続手続に関する認識

本件の相続人は3名でしたが、相続開始後、相続人間で手続の進め方を話し合ったことがなく、また、今後の相続手続を主体的に進めることができる方もいない状況でした。
そのため、相続人間で、具体的に必要な手続やタイムスケジュールがあいまいであり、相続手続を進めなくていけないとの漠然とした認識はあるものの、それ以上に話が進まない状況でした。

(2)不動産①の売却手続

被相続人は晩年、病気療養のため不動産②に居住していたため、不動産①については売却するため、仲介業者に依頼をしていました。ところが、売却が実現する前に被相続人が亡くなったため、不動産②の売却が宙に浮いた状態になっていました。

3.対応内容

(1)現状の整理と相続人間の共通認識の確保

まず、弁護士が相続人と遺産について調査をした上で、相続関係説明図と遺産目録を作成し、これをもとに相続人全員に遺産の内容、今後必要となる手続とそのタイムスケジュールを説明しました。この説明は、弊所に相続人3名にお越しいただいた上で行いました。

(2)不動産①の売却手続

不動産①については、相続人らも実際の状況がわかっていないようでしたので、仲介業者に弁護士から連絡を入れて状況を確認しました。そうしたところ、すでに買付証明書の提示を受けていることが判明し、仲介業者からは、速やかに売買契約の取り交わしをしたいとの打診を受けました。
弁護士からは、売買契約に先立ち、遺産分割協議をする必要があるため(本件では、不動産②については、相続人のうち2名が共有取得するとの意向でした)、遺産分割協議→売買契約締結との流れで対応する必要があることを仲介業者に伝え、段取りを確認しました。
本件では、遺産分割の時点で、取得した遺産を売却することが予定されていたため、相続登記と売買の登記を同時にする方針でしたが、買主側の仲介業者から疑義を呈されたため、担当司法書士と弁護士が打ち合わせて対応しました。
売買契約締結後、確定測量、相続・売買の登記に関する必要資料の確認が済み、金融機関で代金決済が行われました。この際も弁護士が同席し、手続の進行を確認し、代金も滞りなく決済されました。

4.弁護士小池のコメント

本件は、全く紛争性がない案件ですので、弁護士でないと扱えないという案件ではないかもしれません。
しかし、紛争性がなくとも、遺産を取得して売却するまでには、遺産の調査→遺産分割協議→相続登記→売買契約→代金決済・売買の登記といった手続が必要になり、そのための資料も多岐にわたります。そのため、煩雑な作業に耐え切れず、手続が頓挫してしまうことも珍しくありません。
本件は、紛争性がない相続における円滑な手続進行に弁護士がお役に立てるという点で参考になる事例と思います。

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