弁護士が交渉を代理することにより相続人間のコミュニケーションを円滑にして相続税申告期限前に遺産分割を成立させた事例

1.解決事例ダイジェスト

☑ 弁護士が代理人として交渉・事務連絡をすることで相続人間のコミュニケーションギャップを解消

☑ 相続税申告期限前に協議を成立させ、相続税申告までフォロー

2.事案の概要

(1)相続関係

  • 被相続人:父
  • 相続人:長男、長女(依頼者)

(2)遺産の内容

  • 実家土地建物
  • 預貯金 約3000万円
  • 有価証券 約1600万円
  • 介護施設からの返戻金 約900万円

(3)遺言の有無

遺言はありませんでした。

(4)関連問題

遺産分割に関連する問題として、母の遺産分割をした際に、長男が長女に支払うことになった代償金の分割払いが一部不履行となっているという問題がありました。

(5)受任に至る経緯

本件は、相続開始後、長男・長女間で話し合いが行われていましたが、母の遺産分割の代償金が未払いの状況に長女側が不信感を募らせていたため、当事者間に基本的な信頼関係が欠落している状況でした。
そのため、長男側が開示する遺産等の情報を長女側が逐一疑問を呈さざるを得ない状況となり、両者の関係が悪化する状況になりました。
以上の状況を負担に感じた長女側から弊所にご相談があり、代理人として遺産分割協議を受任したという経緯がありました。

3.事案の問題点と対応内容

(1)遺産情報の共有と確認

本件では、長男側から遺産情報が開示されておりましたが、一部裏付け資料を欠くなどの状況であったことから、弊所から受任通知を送ると共に、客観的な資料をもれなく開示するように依頼し、開示を受けました。また、将来に疑義が残らないよう一定期間遡って預貯金の取引明細を取り寄せて不審な取引がないことを確認しました。

(2)遺産分割方法の調整と相続手続の進め方の確定

本件の遺産は、長男管理と長女管理のものがあったため、各人が管理している財産は管理者が取得するとともに、過不足を代償金で調整することとしました。その際、不履行となっていた母の遺産分割における代償金も一括で清算することとしました。代償金は長男側が預金を解約して支払うこととなっていたため、長男側の代理人に解約手続の代行・管理を依頼し、代償金が確実に支払われるように手配しました。

(3)税理士との連携(相続税申告)

遺産分割の確定に合わせて、相続税申告を税理士に依頼しました。
本件では長男が事前に税理士に相続税申告を依頼しており、長女も同じ税理士に申告を依頼することになりました。両名で同じ税理士に依頼した場合、相続税申告の内容に齟齬がなく、費用も頭割り又は案分負担で支払うことになり経済的負担は軽くなるなどのメリットがあります。
他方で、対立する相手方が依頼した税理士に依頼することに対する抵抗感があることが通常ですので、代理人弁護士が税理士と連絡をとることで、問題点を払拭することが重要となります。本件もこのように対応いたしました。

4.弁護士小池のコメント

本件は遺産分割について熾烈な対立がある事案とはことなり、双方当事者が円滑な遺産分割を望みつつ、相手の意見・説明を信用できないことで疑心暗鬼になっている点が特徴的でした。このような事案は、『揉めている』との認識を持ちにくいため弁護士に相談するというステージに辿り着きにくく、その結果、解決まで時間がかかり、当事者も苦しい思いをされるという現状があります。
日々相続のご相談を受けている弁護士の実感としては、『揉めている相続』=『弁護士』という認識が一般化していることの裏返しとして、『揉めている相続』とまで言えない状況では弁護士に相談するほどではないとの誤解があるように思われます。相続で困っていれば、揉める・揉めないにかかわらず弁護士に相談することに問題はありません。
この点は、弁護士側の周知不足による面も大きいのですが、改めて相続問題は気軽に弁護士に相談していただく必要性を感じた事案となりました。

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