遺留分減殺請求が権利濫用にあたるとの主張を排斥し、遺留分に相当する価格弁償を受けることで和解した事例

事案の概要

・相続人は被相続人の娘2人です。被相続人は相続人の母です。依頼者は長女です。
・被相続人は、同居していた長男が平成22年に亡くなったあと、まもなく施設に入所しました。
・被相続人は施設入所前にすべての遺産を次女に相続させる旨の遺言公正証書を作成していました。
・施設に入所して半年後に後見人を次女、被相続人を被後見人とする成年後見手続が開始し、被相続人が亡くなるまで次女が資産を管理していました。
・遺産は被相続人の自宅土地建物と預貯金でした。

事案の問題点

・次女が被相続人の資産を管理していた時期に使途が不明の出金が500万円程ありました。
・次女は、父(被相続人の夫)の遺産分割の際、依頼者が遺産を取得することと引き換えに、被相続人の遺産は取得しないとの約束をしたとの理由で遺留分減殺請求は権利濫用だと主張しました。

対応内容

・使途不明金500万円については、被相続人の取引履歴と出金伝票を取り寄せたことにより判明しましたが、使途までは判明しませんでした。そこで、使途不明金を不当利得と構成して次女に請求しました。最終的に使途不明金500万円については、次女から使途について納得のいく説明が得られたことから和解対象からは除外しました。
・遺留分減殺請求が権利濫用にあたるとの主張については、遺留分制度の趣旨に照らしその権利行使が権利濫用にあたるのは極めて限定的な場合であること、本件と裁判例で権利濫用とされた事例は全く事案がことなることなどを指摘して権利濫用の主張に反論しました。
・最終的に裁判所から、権利濫用については認められないことを前提にした和解の打診があり、自宅土地建物を金銭的に評価した上で、依頼者が価格弁償を受けることで和解が成立しました。

弁護士小池のコメント

本件は、遺留分減殺請求に対して権利濫用の主張がされたという珍しい事案でした。遺留分に関する事件は、判決を得ても根本的な解決にならないことから、権利濫用に反論をしつつ、和解による解決を裁判所に働きかけたことから、権利濫用に関する主張立証が尽くされた時点で速やかに和解の協議に入ることができました。
使途不明金については、相続において問題になる事案が増えておりますが、本件では、次女から使途について合理的な説明がなさたことで請求としては維持できなくなる一方、説明が尽くされたことにより和解につながった点が特徴的な事案であり、和解による解決の参考になると思われることからご紹介いたします。

 

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