遺産分割前の預貯金債権の行使制度の利用状況

弁護士法人Boleroの弁護士小池智康です。

2020年の業務も動き始め、新年の清々しさもどこかに行ってしまったように感じますが、今回は、昨年の相続法改正で新設された遺産分割前の預貯金債権の行使の制度について弊所での利用状況をご紹介いたします。

 

 

遺産分割前の預貯金債権の行使(民法909条の2)とは、本来、遺産分割協議が成立するまでは預貯金債権を行使して払戻しをすることができないことの例外として、一定の要件のもと預貯金の払戻しを認める制度です。払戻し金額は、金融機関ごとに預貯金額の3分の1(ただし、上限150万円)とされているため、それほど多額の払戻しができるわけではなく、相続法改正の議論では、葬儀費用や当面の生活費等を確保するために利用することが想定されていました。

 

 

このような遺産分割前の預貯金債権の行使の制度ですが、弊所では、遺産分割トラブルを弁護士に依頼する際に利用する例が徐々に増加しております。

 

 

遺産分割トラブルの対応を弁護士に依頼する際、通常は、着手金を支払うことになります。また、遺産分割調停において不動産の評価額で折り合わない場合、不動産鑑定評価を行うという選択肢がありますが、この場合、鑑定費用を裁判所に納付する必要があり、この点が負担になる場合もあります(場合によっては、費用負担が難しく、評価額で妥協を余儀なくされるケースもあります)。

 

 

このような場合に備えて、弁護士に依頼後速やかに遺産分割前の預貯金債権の行使を行い、手元資金を確保しておくと、その後の、遺産分割協議に余裕をもって臨めます。

 

 

弊所では、遺産分割前の預貯金債権の行使により解約した預貯金から、遺産分割の着手金を受領するという運用もしており、依頼時の金銭負担を回避することができます。遺産分割で弁護士への依頼をお考えの方は、一度、遺産分割前の預貯金債権の行使をご検討ください。

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