弁護士インタビュー:相続あんしん相談室

目次

  1. 相続あんしん相談室について
  2. 法律相談について
  3. 弁護士費用について
  4. 相続手続の進め方
  5. 弁護士の選び方

相続あんしん相談室について

相続あんしん相談室について簡単に紹介してもらえますか?

相続あんしん相談室は、南越谷法律事務所が運営する遺産分割、遺留分、遺言トラブルなどを扱う相続専門のサイトの名称です。

南越谷法律事務所の相続トラブル部門が相続あんしん相談室というイメージという感じでしょうか?

そうですね。

南越谷法律事務所には他の業務も扱っているのでしょうか?

もともとは他の分野も扱っていたのですが、現在では、9割以上が遺産分割、遺留分などの相続案件という状況です。

どうして相続案件が多くなったのでしょうか?

私が相続案件に興味をもって取り組んできたということと、相続トラブルに関する弁護士ニーズが高まってきたという状況が一致したことが理由だと思います。

私は、弁護士になる以前から、相続トラブル、相続税対策、遺言など広い意味での相続問題に関心をもってきました。そして、弁護士として実務に出てからも、遺産分割調停、遺留分減殺請求訴訟などの相続案件に関与して、相続案件に関する経験を積み重ねてきました。

丁度、同時期に、マスコミや金融機関などで遺言作成等の相続対策、事業承継などが取り上げられるようになり、世の中の相続に対する関心も高まってきました。このような状況が相続案件を増加させた原因だと考えています。

相続案件が増加した理由はわかったのですが、他の分野の業務がほとんどないというのはどうしてでしょうか?

相続以外の分野の案件は、一部の例外を除いて、お断りしているからです。

相続以外の分野は受任しないのですか?

はい。

せっかく仕事の依頼があるのにもったいないようにも感じますが。

もったいないですね。確かにそう感じる時もあります。

ただ、実際に相続案件を処理していると、類似の問題に遭遇することがよくあります。このような問題に対処するには、やはり現実の案件を処理した経験が最も役に立ちます。

そこで、少しでも、多くの相続案件の経験を積み重ねるために、他の分野の案件は原則としてお断りしています。

例外的に受けている案件としてはどのようなものがあるのでしょうか?

例えば、相続案件の派生で、不動産に関する明渡しトラブルが発生する場合などは受任しています。不動産は相続と関係が深いので、広い意味では相続案件の一環と考えています。

相続あんしん相談室では、どのくらいの相続案件を受任しているのでしょうか?

年間の受任件数で言うと、だいたい1年あたり20件前後を受任しています。相続案件の場合、受任から解決まで1年以上かかる案件も珍しくないので常時動いている相続案件が30件程度はあると思います。

1年で20件相続案件を受任するというのが多いのかどうか判断がつかないのですが、何か基準のようなものはありますか?

最高裁判所が家事事件の年度別新受件数の統計をとっており、それによると平成27年度の遺産分割調停の新受件数は12971件とされています。他方で、平成27年度の弁護士人口が36415名ですから、遺産分割調停は弁護士一人当たり1件もないという状況です。

相続案件は、遺産分割調停以外にも遺留分減殺請求や遺言無効確認請求などがあることを考慮しても、年間20件程度の受任は多い部類ではないかと自負しています。

法律相談について

相続あんしん相談室では、相続トラブルに関しては、初回法律相談(60分)と初回電話相談(15分)、メール相談(3往復程度)が無料ということですが、本当に無料なんでしょうか?

本当です。問い合わせをいただいた際にもよく聞かれますが、本当に無料です。時間超過した場合は延長料金が理屈上は発生しますが、少し延長したくらいでは請求していません。

どうして無料法律相談を実施しているんですか?

相続トラブルで困っている方に気軽に相談してもらいたいからです。

相続の相談を受けていると、完全に弁護士の関与が必要な状態になっているのに1年以上放置して、どうにもならなくなってから相談に来るということが珍しくありません。原因は相談料だけではないと思いますが、初回無料とすることで気軽に相談できるという効果はあるのではないかと考えています。

また、弁護士に依頼をしようという場合、通常、法律相談をしてから依頼ということになりますが、法律相談をしてみたものの回答内容に満足がいかなかった、弁護士と相性が悪そうに感じたなどの理由で、再度、別の弁護士に相談されている方も相当数いらっしゃいます。この場合、相談の都度、料金を支払っていたら馬鹿にならない金額になってしまいます。

私は、法律相談は法的な解決方法をアドバイスするというのがメインではありますが、同時に弁護士の能力や相性を見極める場でもあると考えています。それなら、初回相談ぐらいは無料でもいいじゃないか、という素朴な発想で無料法律相談を実施しています。

弁護士に相談してみたいという方は結構いると思うんですが、やはり、弁護士に相談するのは初めてでどう相談すればいいかがわからないと心配しているかたも多いと思います。何かコツのようなものはありますか?

上手に説明できなかったらどうしようなどと思い悩まないことです。

相談内容については、弁護士が話を聞きながら整理して、必要事項を随時きいていけばいいので、相談する側が心配する必要はありません。ただし、弁護士が聞いたことにはきちんと答えていただけると相談が充実すると思います。

何か準備したほうがいい資料はありますか?

お手元にある資料をまとめてお持ちいただけると助かりますね。あと、相続の場合、関係者が多くなるので、相続関係図を準備していただけると話が早くすすみます。

相続関係図ってどうやって作ればいいですか?

関係者のお名前と亡くなれた方(被相続人)との関係を記載してください。関係者の住所、連絡先もわかる範囲で書いていただけると助かります。

ワードやエクセルで作らないとダメですか?

手書きで構いません。資料についてはお電話などでいろいろとお願いすることがありますが、最初の相談準備のハードルが高いと相談をしにくくなってしまうので、無理のない範囲でご準備ください。

無料法律相談に関しては、事務所での面談(60分)、電話・メール相談という二通りの方法が用意されていますが、これらはどう違うのでしょうか?

電話相談・メール相談はそもそもご自身の問題が弁護士の対応業務なのかがわからないとい場合、相続手続きの大枠や問題点などを聞いてみたいという方にご利用いただいています。他方で、電話・メール相談は時間・情報も限られていますので、個別の事案における具体的な解決案を提示するということは予定していません。

事務所での面談(60分)の場合は、資料を拝見しながら、随時、事情を確認できますので、より具体的な検討をすることができます。いろいろ聞いてみたいという方は事務所での面談をお申込みいただいたほうがいいと思います。

無料法律相談を申し込む方法は電話とメールのどちらがいのでしょうか?

お仕事で日中の電話対応が難しいという方にはメールでのご連絡をお願いしております。日中の電話対応が難しい方の場合、折り返し連絡が何度も行き違いになってしまうことがあります。メールでしたら、随時、必要事項の連絡ができますので、結果的に早く調整ができることが多いです。

比較的、電話に出やすいという方の場合は、電話・メールいずれでも結構です。

相続問題については、どの時点で弁護士に相談すればいいですか?

すごくよくある質問です。

いつ相談すればいいかわからなかったというのは実際に相談を受けたケースでよく出るキーワードです。いつ相談するのがベストという決まりはありませんが、相談を検討する時期というのはありますので、この時期とご自身の状況を考慮して相談するかを決めるといいと思います(以下では、相続が実際に発生したケースを前提にして説明します)。

まず、相談を検討する最初の段階は、相続が開始後、相続人間の最初の話し合い前の段階です。この段階での相談をおすすめする方は、以前、別の相続でもめている等、今回の相続でも確実に揉めることが予想される方、遺産の内容が複雑で話し合いの前提となる遺産の把握や分割の方向付けが難しい方等が典型です。

他方で、特に揉めることもないと思われるものの、相続手続きをどうやって進めたらいいかわからないので念のため相談したいというケースもあります。このような相談ももちろん歓迎していますが、弁護士に相談する(又は相談した)ということを他の相続人に対してどう伝えるかということには少し慎重になっていただく必要があります。特に悪意はないのでしょうが、相続人のうち一部の方が弁護士に相談をしていて、後日、話し合いの場で「弁護士に相談したらこう言っていた」等と言ったことにより、他の相続人から不信感を持たれ、却ってもめてしまったということもあります。このような場合は、相続人全員(又は主要な相続人)で弁護士に相談するということを共有し、これを前提に代表者の方などが実際に相談に赴くなどの対応をしたほうが良いと思います。逆に言えば、このような対応が難しいケースは潜在的に紛争性があるということですので、ある程度紛争化することも覚悟する必要があるということになります。

次の段階として、実際に話し合い(遺産分割協議)をしたが、うまく話しが進まないという段階があります。典型例としては、①被相続人の遺産を管理していた相続人(被相続人と同居していた方等)が遺産の具体的な内容を開示しない、②一部の相続人(長男が典型です)が自分に有利な案にこだわっていて全く譲歩しない、などがあります。

このような状況の場合は、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。

実際の相談でも、上記①・②のようなケースで1~2年にも渡って何度も話し合いを重ね、力尽きて相談にきましたという方が多くいます。相続は身内の問題だから身内の話し合いで何とかしたいとのお考えがあることが多いのですが、上記①・②のように合理的な話し合い(遺産分割協議)ができない状況で、相続人だけで話あってもなかなかうまくいきません。

このような場合は、弁護士に相談して、それぞれの主張・希望のうち、法律的に理由がある部分とそうでない部分を整理して遺産分割協議をすすめることが有益です。それでも、ダメであれば、いよいよ相続人同士での協議は困難ということで弁護士を代理人にするかを決めることになると思います。

また、別のパターンとしては、他の相続人が全く話し合いに応じないため、遺産分割協議自体ができないという場合があります。このような場合は、代理人を選任して交渉をするか、遺産分割調停を起こす必要がありますので、速やかに弁護士に相談する必要があります。

遺産分割調停や遺留分減殺請求訴訟などの裁判が起こされている場合は、すでに解決が法律にゆだねられている段階ですので速やかに弁護士に相談することが必要です。

実際に相談を受けたり、受任する相続案件はどのようなものが多いのでしょうか?

相談を受けて受任する案件の80%程度は遺産分割と遺留分に関する事件です。遺産分割と遺留分は相続トラブルの典型なので、この二つが多いというのは相続案件を扱う事務所では一般的なことだと思います。

何か特徴的な案件はありますか?

最近の傾向としては、特定の相続人が被相続人の生前に遺産(特に預貯金)を出金してしまっており、これを不当利得として請求するという案件が増えています。感覚としては、遺産分割・遺留分の案件の5件に1件程度は、不当利得の問題がでてくるように感じています。

また、認知症の方が作成した遺言の有効性が争われる事件も増えています。自筆証書遺言で有効性が疑わしいものが多いのはそれほど驚きではないのですが、公証人が関与して作成される公正証書遺言でも、要介護認定の資料や医療記録をみるとその有効性が疑わしい事例が相当数あります。公正証書遺言は、公証人が意思能力をチェックしているので、よほどのことがない限り無効にならないという意見もよく聞かれます。

他方で、公証人は正当な理由がない限り、公正証書作成の嘱託を拒むことができないため(公証人法3条)、認知症で意思能力が疑わしい点があるというだけでは公正証書遺言の作成を拒むべきではないという意見もあるようです。この意見は、遺言の作成を希望する方の公正証書遺言を作成する機会を最大限尊重し、遺言の有効性については、最終的に裁判所が判断するべき事柄であることを根拠としています。

この点については、公証人ごとにスタンスの違いもあると思われますので、一概には言えないところですが、遺言の有効性に疑問がある場合は、公正証書だからということだけであきらめずに、まずは弁護士に相談してみるといいと思います。

他に特徴的な案件はありますか?

自筆証書遺言の文言の解釈が争点の事例や遺贈が放棄された場合に遺贈の対象だった遺産が遺産に帰属するのか特定の相続人に帰属するかに関して、遺言(公正証書遺言)の解釈が争点になった事例などもあります。

自筆証書遺言に関しては、法的な知識が十分でない方が作成している場合が多いため、遺言の文言解釈が問題になることが多いと感じています。

実際に受任している案件はどの程度の遺産規模のものが多いのでしょうか。億単位の案件ばかりなのでしょうか?

案件の規模はバラバラです。確かに、遺産が億単位の案件もありますが、他方で、遺産が数百万というものもあります。最も件数が多いのは、遺産規模が3000万円前後でしょうか。案件を受任する場合、どの程度の業務負担が生じるかを検討するため遺産規模は需要な要素になりますが、遺産規模で受任するかどうかを決めるということはしていません。

受任するかどうかはどうやって決めているのでしょうか?

いくつかありますが、案件解決に向けての方針をご理解いただけるかという点があります。実際に事務所にお越しいただき各種資料を見ながら1時間面談をすると、事件処理についての大枠が見えてきます。これを、事件処理の方針としてご説明することになりますが、この方針と相談者の方のご希望が異なっており、妥結点が見いだせないという場合は、受任してもお力になることは難しいと思いますので、受任をお断りしています。

また、ご相談者の方と相性・価値観が合わないと判断した場合も、受任をお断りしています。弁護士が依頼者を選ぶのかとお叱りを受けるかもしれません。しかし、相続案件は、解決まで最低でも1年程度はかかりますので、それなりに長いお付き合いになること、事件処理では弁護士と依頼者が率直に意見をぶつけ合うこともあるので、相性・価値観が合わない方の依頼を受けてもうまくいきませんので、お互いにとって不幸なことです。

そこで、弊所では、相性・価値観が合わないと判断した場合は、受任をお断りしています。同様に、ご相談いただいた方にも、相談の際、相性・価値観が合わないと判断した場合は、無理に依頼しないでくださいと申し上げています。

無料法律相談をした場合、依頼しなくても問題はありませんか?

全くありません。

弁護士が力不足だと判断した場合、相性・価値観が合わないと判断した場合など、相談だけでお帰りいただいて結構です。依頼しないことになった場合に相談料が発生するということもありません。

弁護士費用について

弁護士に依頼すると高額な費用がかかるというイメージがあるのですが、実際のところどのくらい費用が発生するのでしょうか?

弁護士費用はやはり一番気になるところだと思います。

一般的に弁護士費用は、受任時に発生する着手金と解決時に発生する成功報酬、裁判所への出頭や出張の際に発生する日当があります。弁護士が受任する紛争案件は解決まで1年~2年かかることが珍しくありません。弁護士費用はこのような長期間の業務に関する報酬ですのである程度の額をいただかないと弁護士業務が成り立たちません。

もっとも、相続案件の場合、遺産の額に一定の割合を乗じるという従来の弁護士費用の算定方法をとると着手金が高額で依頼できないということが発生してしまいます。そこで、弊所では遺産分割・遺留分の事件の着手金は一律30万円としてわかりやすい費用設定をしています。詳しくは弁護士費用をご覧になってください。

相続手続の進め方

このホームページを見ている方は実際に相続手続で悩んでいる方がおおいと思います。相続手続きの上手な進め方をアドバイスしてもらえますか?

相続手続というと、細かな手続などを含んだ意味で使われることが多いのですが、相続手続で最も重要な事項は遺産分割協議ですので、ここでは遺産分割協議の上手な進め方という視点でお話します。

遺産分割協議は①相続人が、②遺産を、③分割するために協議することです。

したがって、

  1. 相続人がだれか=人
  2. 分割の対象になる遺産は何か=モノ
  3. 分割方法=分け方

を決めることが必要になります。

①と②は法律と判例にしたがって判断し、これをもとに③の分け方を話し合いで決めることになります。このような枠組みを意識していると遺産分割協議がしやすくなると思います。

理論的なことはわかりましたが、いざ、話し合いをするときにどうしたらいいかを説明してもらえませんか?

わかりました。

まず、大前提ですが、話し合いをするにしても事前準備をちゃんとすることが大事ということがあります。事前の準備なしに空手で話し合いをしても議論がかみ合わず、無駄に紛糾してしまいます。

事前準備って何をすればいいんですか?

先ほどの、①人、②モノの調査をするということです。①人(相続人)の調査は、戸籍謄本を取り寄せて行います。②モノの調査は、遺産の種類によりますが、不動産でしたら登記事項証明書、固定資産評価証明書、預貯金なら通帳又は残高証明書で現在の遺産を明らかにします。

このようにして整理した遺産の内容を資料化して、相続人全員で共有します。こうすると、遺産の内容について共通認識が持てるので、遺産隠しを疑われることもないですし、分割方法についての意見も具体的になるので話し合いが進みやすいです。

せっかく説明してもらっていうのも難ですが、いたって当たり前のことをするだけなんですね。

そうなんです。当たり前なんです。

でも、実際に相続トラブルの相談を受けているとこの当たり前のことをしていないために話し合いがうまくいかないということが非常に多いんです。

例えば、親(被相続人)と同居していた子供(相続人)が、他の兄弟に遺産の内容を説明しないまま、自分に有利な遺産分割協議書に署名・押印させようとしているという相談は日常的にあります。

財産を開示しない側としては、遺産の全体像が判明した上で法定相続分を主張されたら、自分の取り分が少なくなってしまうということ、被相続人の生前からその財産管理を行っていた場合は開示を求められることを管理内容に対する干渉と受け取ってしまう、など、開示しない側にもそれなりの理由があります。

他方、開示を得られない側は、財産の開示を拒絶されることで、不信感を募らせることになります。

遺産分割は、全員一致で合意しない限り成立しないので、財産の開示を拒絶しても、遺産分割は上手くいきません。遺産分割協議を行う際は、財産の内容をきちんと開示・共有して話し合いをすることが大切です。

財産を開示・共有すれば遺産分割でもめることはありませんか?

残念ながらそれでも揉めることはあります。

財産を開示・共有するという方法は、きちんとした手順で話し合いをすれば揉める必要がない事案を紛争化させないために有効ですが、紛争するのがむしろ当然という事案の紛争化を防止することはできません。

「紛争化するのが当然」って、どんな事案ですか?

前回の相続で揉めている場合はほとんどの場合、揉めますね。また、相続人間の人間関係が悪く、円滑なコミュニケーションをとれない場合なんかもそうです。あとは、特定の相続人が合理的な理由がないのに多くの遺産を取得することを主張している場合もそうです。

昔は、長男というだけで遺産の大半を相続することで話し合いがついたことがありましたが、今はそういう時代ではありません。長男の意識(遺産の大半を相続するのが当然)と他の兄弟の意識が異なることが原因で紛争化する事案は多くあります。

でも、長男が財産の多くを相続している最近の事例なんかもききますがどうなんでしょう?

それは、長男の方が、遺産の大半を相続するのが相応しいと他の相続人が思えるような行動をとってきたなど、他の相続人にとって納得感のある場合ではないでしょうか。同族会社の経営者の相続で、長男が会社の後継者として実績を積んでいる場合や実家の農業を承継し、両親の面倒も立派に見た方の相続などは、揉めることなく長男の方が財産の大半を相続しているという事例はあります。

「揉めるのが当然という相続」で揉めることを回避することはできないのでしょうか?

無理だと思います。

「揉めるのが当然という相続」は揉める要素が揃っていて、揉めるべくして揉めるわけです。それを、無理をして揉めないようにすれば、揉めることを避けたい方が際限なく譲歩して、不公平な遺産分割を受け入れるしかなくなってしまいます。

ではどうすればいいんでしょうか?

自分の希望や正当な法的権利はきちっと主張することです。その結果、遺産分割が「揉める」のであればそれはそれで仕方のないことです。

でも、自分が無理を言ったせいで「揉めた」と言われたくないと思う方は多いのではないでしょうか?

その気持ちはよくわかります。

でも、遺産分割ではその心理につけこんで有利な分割をしようとしている方が多くいるということに注意してほしいですね。

どういうことですか?

遺産分割で「揉めた」と言われる事例の典型では、被相続人と同居していた相続人が自分に有利な分割方法を提案し、他の相続人が回答をしなかったり、法定相続分での分割を希望して提案を拒絶したりするということがあります。

このような場合、遺産分割を提案した側は、他の相続人のせいで「揉めた」と周囲に話します。提案を受けた相続人の方でも、自分が提案に応じなかったせいで揉めたと考えている方もいます。

確かに、上記のケースで、被相続人と同居していた相続人の提案に応じていれば揉めることはなかったと思いますが、揉めた根本的な原因は、提案拒絶や回答の先延ばしではありません。それは、不公平な遺産分割を提案したことです。その意味では揉めた原因はこのような分割案を提案した相続人にあります。この点はよく考えていただきたいと思います。

結局は揉めるしかないといことでしょうか?

そうです。正当な権利主張をしたことにより揉めると言われるのであれば、それは仕方がないのではないでしょうか。

最近は、相続で揉めないように遺言を作成しましょう等、「揉めない相続」を推奨されているため、揉めることが悪のように見られていますが、私はそうは思いません。

実際に相談を受ける案件では、「揉めない」ために不当に相続分が少ない分割方法を押し付けられている方や正当な権利行使を我慢している方が数多くいらっしゃいます。そして、このような方の我慢で、他の相続人がはるかに多い財産を相続しているという実態があります。

私は、このような場合は、むしろ揉めたとしても正々堂々、自分の権利主張をすべきだと思いますし、それが悪いことだとは全く思いません。

弁護士は紛争をあおるとか言われそうですね。

言われるかもしれませんね。でも、私としては、紛争化させることが良いといっているわけではありません。ただ、不当な遺産分割に我慢してまで紛争を避ける必要はないということを伝えたいだけなんです。不当な遺産分割の提案を拒絶して、結果揉めても、拒絶した相続人に非はないんですよ、ということは是非とも解っていただきたい。

弁護士の選び方

相続問題で弁護士を選ぶ際、どのようなことを考慮したらいいかを教えてもらえますか?

やはり最重要は弁護士との相性ですね。

性格が合わなくて、話ができない等では打ち合わせもままなりませんので、法律相談で相性をきちんと確かめてください。

専門性も関係ありますか?

そうですね。相続ばかりを扱う弁護士は少ないと思いますが、常時、相続の紛争案件を扱っているという程度の経験はあったほうがいいと思います。

また、賃貸マンション・賃貸テナントなどの収益不動産が含まれる場合や収益不動産を管理するための会社の株式が遺産に含まれる場合、同族会社の相続などは、専門性のある弁護士を選ぶ必要があります。このような案件は、一般的な遺産分割を扱った経験では対応が難しいと思います。

他に弁護士選びで気を付けることはありますか?

あまり言われていないことかもしれませんが、普段、どのような立場の相続人の方の案件を受任いているかというのも気にかけておいたほうがいいと思います。

相続案件は、一般的に被相続人の財産管理に関与していて財産に関する資料を持っている相続人と財産管理に関与していなかったため資料を持っていない相続人に分かれます。

前者の案件を受任した場合は、財産の資料が手元にあるため調査が非常に楽です。

他方、後者の場合、財産に関する情報がほとんどないところから、被相続人という他人の懐を探っていくことになるため、調査にとても手間暇がかかります。例えば、預金調査をしようにも照会をする取引銀行の支店を知らないという場合もざらにあります。

このような調査もある程度件数をこなして、慣れてくればポイントを押さえて効率的に実行できるのですが、資料をすべて依頼者から受け取ることができる事案が大半という代理人ですと、なかなかうまくいかないかもしれません。

そこで、相続の紛争案件で、どのような立場の相続人の依頼を受けているかということも気にしながら弁護士を選ばれるといいと思います。

このインタビューを読んだ方に何かメッセージはありますか?

最後までお読みいただきありがとうございます。

弊所は相続問題に特化しつつ、相続問題については幅広く対応しています。もし、相続でお悩みがありましたら、まずはお気軽に無料法律相談をご利用ください。

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